髙田三郎作曲・高野喜久雄作詩「水のいのち」
弦楽とピアノ伴奏版(永友博信編曲)のご案内
「水のいのち」「心の四季」「ひたすらな道」などの数々の名作を残された髙田三郎氏の作品は、日本語を見事に音楽と結びつけている作曲家の一人です。その美しい音楽と相まって古くから多くの合唱団に愛されてきました。その中でも「水のいのち」は比類の無い人気作品で、合唱作品をあまり演奏しないオーケストラの指揮者でも、取り上げるとしたら、この「水のいのち」という、国内外に認められた作品です。
2013年は髙田三郎生誕100年の年であり、それを記念して、その年の少し前から日本の各地でオーケストラ伴奏による「水のいのち」の演奏が行われてきました。現在、オーケストラ版は大編成管弦楽版、小編成管弦楽版、弦楽とピアノ版など数種類のものがありますが、私もご遺族より特別に許可を頂き、自らの編曲による弦楽とピアノ版を、19th TOMS Japan Concert(2011年12月)において演奏いたしました。その時、一緒にステージで演奏していただいた、このオーケストラ版の管理者である岡崎隆様(楽譜作成工房「ひなあられ」主宰 名古屋パストラーレ合奏団 指揮者・コントラバス奏者)より推薦いただき、ご遺族の許可の下、新しく「水のいのち」の弦楽とピアノ伴奏版としてレンタル譜に加えていただくという栄誉を賜わることになりました。
編曲のコンセプト
私の弦楽とピアノ版編曲のコンセプトは、ピアノパートを他の楽器に置き換えるというものではなく、あくまでもピアノ伴奏版として完成されているオリジナルのピアノパートを最大限に生かすことであり、弦楽器は時にはその背景であり、時には肉付けであり、時にはピアノという楽器が成し得ない、「音の持続」を助ける役割をするものです。それによって、オリジナルのピアノ伴奏版の素晴らしさをより一層引き出すことを心がけました。
今後、多くの指揮者および合唱団の方々に採用していただければ幸いです。
尚、レンタル版のお取り扱いに関しては楽譜作成工房「ひなあられ」様のホームページをご覧頂き、そちらにご連絡をしていただくようお願いいたします。
楽譜工房「ひなあられ」☞閲覧およびレンタル譜についてのお問い合わせはこちらから
楽譜の一部は楽譜工房「ひなあられ」様のHPよりご覧頂けますが、音源を参考にされたい方は、一部分を下記にアップいたしますので、オーケストラ版選択の参考にして頂きますようお願いいたします。
参考音源(一部分)
1)雨 ☞試聴はこちらから
2)水たまり ☞試聴はこちらから
3)川 ☞試聴はこちらから
4)海 ☞試聴はこちらから
5)海よ ☞試聴はこちらから
弦楽とピアノ伴奏版(永友博信編曲)による演奏会の紹介
この弦楽とピアノ伴奏版による「水のいのち」(男声合唱)を2015年9月29日(日)名古屋工業大学合唱団60周年記念演奏会で取り上げることになりました、(指揮:永友博信 弦楽:Ars Bona Ensemble ピアノ:伊藤美砂子 合唱:名古屋工業大学合唱団OB 会場:愛知県芸術劇場コンサート・ホール)
永友博信音楽活動30周年記念
My Song
〜足跡〜
CD発売中
永友博信音楽活動30周年記念CD
My Song 〜足跡〜
若き日の歌唱で未熟な面が多く恥ずかしく思いますが、一つの節目に残しておきたいと思いました。音楽大学卒業時から40代後半までの演奏のライブ録音で、録音状況も違いますし、声質も違います。記念碑的なCDとご理解くだされば幸いです。(送料無料)
商品番号:2011-Sixty
商品名:永友博信音楽活動30周年記念CD My Song 〜足跡〜
当店通常価格:3,150円 (税込)
収録曲
1989年(37歳)
中田喜直 / 三好達治 NAKADA Yoshinao / MIYOSHI Tatsuji
1.木兎(みみずく) A horned owl
歌曲集「海四章」 Four poems on the sea
2.馬車 Coach
3.蝉 Cicada
4.沙上 On the sand
5.わが耳は My ear
G.F.ヘンデル G.F.Händel
6.オンブラ・マイ・フ Ombra mai fù
7.そうだ、鎖に繋がれた時こそ Sì,tra i ceppi
1996年(44歳)
F.P.トスティ F.P.Tosti
8.苦悩 Tormento
9.私の歌 La mia canzone
1989年(37歳)
H.ヴォルフ H.Wolf
「アイヒェンドルフ歌曲集」Gedichite von Eichendorff)
10.友人 Der Freund
11.音楽師 Der Musikant
12.語らぬ愛 Verschwiegene Liebe
13.郷愁 Heimweh
1982年(30歳)〜大学院修士課程修了演奏〜
F.シューベルト F.Schubert
14.君こそわが憩い Du bist die Ruh
15.湖のほとりで Am See
1985年(33歳)
G.ヴェルディ G.Verdi
歌劇「椿姫」 d’Opera “La Traviata”
16.プロヴァンスの海と陸 Di Provenza il mar, il suol
1980(28歳)〜学部卒業・読売新人演奏会〜
G.ヴェルディ G.Verdi
歌劇「ドン・カルロ」 d’Opera “Don Carlo”
17.ロドリーゴの死 La morte di Rodrigo
1997年(45歳)
大中恩 / 寺山修司 ONAKA Megumi / TERAYAMA Shuji
歌曲集「ひとりぼっちがたまらなかったら」
18.海が好きだったら
19.汽車
20.ヒスイ
21.世界の一番遠い土地
22.海の起源に関する一章
23.見えない花のソネット
24.ぼくが死んでも
1989年(37歳)
大中恩 / 北原白秋 ONAKA Megumi / KITAHARA Hakusyu
25.片恋
2000年(48歳)
信時潔 / 清水重道 MOBUTOKI Kiyoshi / SHIMIZU Shigemichi
歌曲集「沙羅」
26.鴉
Pf. 渡部真理(1〜13,16,25) / 間瀬陽子(14〜15)
高橋寛樹(18〜24) / 伊藤美砂子(26)
中日文化センター・メールマガジン
わたしの交差点
〜あの人・この道〜
『結成!さかえ中日女声合唱団』講師・永友博信さん
昨年暮れには「音楽活動30周年記念」と銘打ってベートーベンの第9(合唱付き)と高田三郎の「水のいのち」を愛知県芸術劇場ホールで指揮するなど、主宰する音楽グループ「TOMS Japan」を中心に活発な演奏活動を繰り広げている。初対面の前にホームページを見てびっくりした。キラキラと星の飛び交う指揮姿はもとより、色彩豊かなページ上に本人の略歴やグループの歴史、演奏予定、活動の詳細のほか、音楽に関連する映画DVDの買い物まで出来る設計が施されている。プロに依頼したのに違いない、そう思って尋ねると「いや、僕がつくったんですよ」とあっさり。
異能ぶりに驚くしかなかったが、話を聞くうち、少し、納得した。永友博信さん、実は名古屋工業大学で化学を専攻、トヨタ関連に就職まで決まっていたのをホゴにして、25歳であらためて愛知県立芸大声楽科に進学し直した経歴の持ち主だった。この程度のホームページの設計など訳もない、ということなのだろう。
転身には一つの出会いがあった。名工大当時はまだ、どこの大学でも合唱活動、とりわけ男声合唱が盛んなころ。名工大合唱団も室蘭工業大学グリークラブ、東京工業大学シュワルベンコール、九州工業大学メンネルコールの国立4工大で独自の合唱連盟をつくり、毎年、持ち回りで演奏会を開いていた。その第14回(1974・昭和49年)、翌年の第15回演奏会で名工大合唱団を指揮していたのが永友さん。たまたま、この二回の合同演奏を指揮した男声合唱界で著名な福永陽一郎さんが、永友さんの音楽センスを見抜き、直接「音楽をやってみたらどうだろう」と誘いの手紙を送った。「アルバイトをしながら先生のところで指揮法や編曲を勉強するうち、どうせ音楽のプロになるのなら回り道でも音大を出たほうが、と思ったんです」。
それからの永友さんは破竹の勢い。バリトン歌手として「修善寺物語」で夜叉王を演ずるなどオペラに出演する一方、1980(昭和55)年には最初の女声合唱団「コーロ・エミナース」を結成、二年後につくった女声合唱団「ヴォーチ・アミーケ」を率いて94年にはスイス・モントルーの国際合唱コンクールで最優秀賞を受賞、全日本合唱コンクールでも93、94年と連続金賞を取った。二つの合唱団のほか名古屋少年少女合唱団などとともにイタリア、ドイツ、シンガポールなど海外演奏旅行にも出かけている。
また、自分で苦労した体験をもとに、声帯のメカニズムを分かりやすく伝える発声法講座「Ars Bona」を通じ、授業や講演でノドを酷使する先生やアナウンサーらのボイストレーニングでも各地から引っ張りだこの人気だ。
「もし、あのまま就職していたら、いまごろ自動車のエンジニアになっていたかもしれませんね」。他人事のように語る永友さんだが、一つの出会いが人生を変えた。
(取材:Y.N)